分かりやすい日本語に興味があります。正確に言うと日本語を分かりやすく書くことに興味があります。
仕事がら多くの日本語に接します。そこで思うのが「道具としての日本語は分かりやすくあるべきだ」ということです。とにかく分かりにくい日本語が多いのです。
特に役所の日本語は分かりにくく感じます。まず漢字が多い。一目見て紙面が黒々としています。読もうという気を起こすのに気合を入れなければなりません。
次に難しい言葉が多い。一般に馴染みの薄い漢語をことさらに使っているように思えます。今たまたま手元にある書類にはこのように書いてあります。
公共用地の取得に伴う損失の補償額算定及び適正な地価の形成に寄与する調査・研究のための貴重な資料として……
(国土交通省)
一語一語意味を確かめながら読まないといけません。
さらに一文が長い。少し前に見た裁判の判決文は読んでも読んでも句点(。)が出てきません。一文がなんと874文字ありました。原稿用紙2枚以上です。誰かに読んでもらうことを前提に書いたものとは思えません。
これでも役所言葉はずいぶん改善されてきました。しかし行政府以外の立法府や司法府はまだまだです。立法府の発する法令や司法府の発する判決文は一読して意味のよく分からないものが多々あります。
行政書士としては分かりやすい日本語という観点からも市民と行政との懸け橋の役割を果たしたいと思います。